2016年7月14日 (木)

天皇陛下が生前退位のご意向 雑感

昨日から大きく報道されているように、天皇陛下が生前退位のご意向をお持ちとなっていることが明らかとなりました。個人的にはご本人のご意向に沿う方向性で問題ないのではないかと思っています。

テレビのニュース番組などを見ていると、退位後の呼び方が話題になっています。皇室典範で定義されていなくても、すでに「上皇(太上天皇)」という歴史的な呼称があるのですから、それにしたがえば良いだけのような気がします。なお、日本史では「法皇」も登場しますが、これは「出家した上皇」のことなので、上皇に含まれます。

かつては政治の都合で勝手に天皇を入れ替えたり、引退した天皇が上皇として「院政」を行うなどの弊害もありましたし、皇統が分裂した南北朝時代もありました。また、極めてレアなケースですが、上皇が再び天皇に即位する重祚(ちょうそ)が行われたり、息子が天皇に即位したことでいきなり上皇に棚上げになった皇族もいました。ちなみに、上皇が5名いた時期もあります。ここまで増えると、まるで総理経験者や社長経験者のようです。

歴史を振り返ると、確かに様々な混乱があったようです。しかしながら、「きわめて高齢の定年制」に限定するなど生前退位できる条件をかなり狭めるだけでも、前述したような混乱を回避することはじゅうぶん可能なのではないかと思っています。

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2016年6月25日 (土)

英国EU離脱について思う

ご存知のとおり、英国の国民投票でEU(欧州連合)離脱派が勝利したことで、世界が大混乱に陥っています。

英国は1991年に私が訪れた最初の外国であり、また、翌1992年のドイツ留学時に、EC(欧州共同体)がEU(欧州連合)になっていくプロセスを間近に見ていたので、当時の地道な積み重ねが台無しになってしまうかもしれない今回の動きについては、大変残念に感じています。

当時私が住んでいたドイツのアーヘンから、EU条約が締結されたオランダのマーストリヒトまでバスで1時間程度だったこともあり、週末に日帰りで旅行に出かけたのは懐かしい思い出です。オランダ側のバスだったため、ドイツ・マルクで支払いができず、わざわざオランダ・ギルダーに両替しました。(当時はユーロがまだありませんでした。)

今回の結果は僅差であり、首都ロンドンやスコットランド、北アイルランドでは残留派が多かったですし、24歳までの若者層では7割以上が残留を希望していたという調査結果もあります。様々な背景や事情を持つ国民がいる中で、安易に「国民投票→過半数で決定」というプロセスに頼ることの危険性も、今回改めて明らかとなりました。

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(出典:BBC News)

20世紀最大の社会実験とされるソビエト連邦を中心とした社会主義体制は100年も経たずに崩壊しましたが、果たしてEUは今後どうなるのでしょうか?

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2016年4月 4日 (月)

神武天皇2600年大祭

昨日、初代天皇とされる神武天皇の没後2600年を記念する「神武天皇2600年大祭」が奈良県の橿原神宮で営まれたというニュースを目にしました。

「2600年」と聞いて、私は直ちに、1940年(昭和15年)に神武天皇即位から2600年を記念して実施された「紀元2600年記念行事」のことを思い出しました。ご存知の方もいるかもしれませんが、旧日本軍の軍用機「ゼロ戦」(零式艦上戦闘機)の名前は、採用年の1940年(昭和15年)がちょうど皇紀2600年だったことに由来します。

あれから既に76年。調べてみると、52歳で初代天皇に即位した神武天皇は127歳まで生きたのだそうです。(古事記によると137歳。)

人間の理論的な限界寿命が120歳と言われていますから、さすがにこれを事実と考える人はいないと思います。まあ、あくまで「神話」の世界の話ですから、あまり突っ込みを入れても仕方のないことかもしれません。

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2016年3月28日 (月)

乙武洋匡氏の不倫騒動 雑感

作家の乙武洋匡氏の不倫騒動がメディアを賑わせています。私自身は父親から「浮気や不倫の類は絶対にするな」と言い聞かされて育ちましたので、この手の報道が続くのは、正直不愉快極まりません。

今回特筆すべきは、乙武氏の奥さんも一緒に謝罪文を出した点ですが、やはり、奥さんが一般に向けて謝罪するのは根本的におかしいと思います。なぜなら、乙武氏本人が「公人」である一方、奥さんは「私人」であるからです。(乙武氏が政治家であったり、北斗晶さんのように家族を公開してきた人であったりすれば話は別ですが…。)

また、乙武氏本人の謝罪文には、「一生かかっても償いきれないほどの過ち」と書かれています。しかし、妻帯者でありながら複数の女性と関係を持ち、本来家族と過ごすべき時期に女性と海外旅行に出かけるなんて、「何らかの信念に基づいた確信的な行動」としか思えません。

かつて政界のフィクサーとして暗躍した三木武吉氏は、妾が4人いると批判された際、人数が5人の間違いであると訂正した後、「これを捨て去るごとき不人情は、三木武吉にはできませんから、みな今日も養っております」と発言しました。乙武氏も『五体不満足』だけで7億円以上(450万部×1600円×10%)も稼いだのですから同様のことが可能なはずですが、週刊誌に暴露されただけで不倫相手を簡単に切れるという、その関係性の軽さも気になります。

乙武氏が重い障害を乗り越えて前向きに生きている点は称賛に値しますが、やはり、学生時代に出した処女作が売れすぎたことが人生を狂わせたのでしょうか? せっかく早稲田大学の政治経済学部まで卒業したのに、スポーツライター、教師など様々な職を転々とし、それらをすべて途中で投げ出すだけで、しっかりとしたキャリア形成がなされなかったことも、とても残念なことだと思います。

テレビなどを見ていると乙武氏を擁護する声も多く、どうもモヤモヤしていたので、私の雑感を簡単に述べさせていただきました。

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2016年3月22日 (火)

懐かしのキューバ

20日夕方、米国のオバマ大統領は現職の米大統領として88年ぶりにキューバを訪問しました。今回の訪問に合わせて米ホテル大手は相次ぎキューバ進出を表明し、両国間の定期便も近々就航する見通しとのことです。

私は米国在住時の2004年に、キューバに渡航したことがありますが、その時は、ブッシュ政権(息子の方)がキューバに対して強力な制裁措置を実施していたこともあり、現地に行くまでが大変でした。

まず、メキシコにある旅行代理店に頼んでメキシコ-キューバ間の航空券を購入してもらい、それを米国の自宅まで郵送してもらいました。さらに、米国内にはキューバの大使館がなく、ビザが取得できなかったため、メキシコ・シティの空港に到着してからその場で購入したのです。(もし買えなかったら、メキシコで足止めを食うところでした。)

キューバから米国に戻ってからも波乱は続きます。ロサンゼルス国際空港ではキューバのお土産(ラム酒や葉巻など)を巧妙に隠していたため税関で没収されることはありませんでしたが、スーパーで買い物しようとすると、いつも使っているシティバンクのクレジットカードが使えなくなっていました。

早速カード会社に電話すると、なんと、「あなたのクレジットカードが偽造されてキューバで使われそうになったため、一時的に使えないようにしている」との回答が…。当時、米系の銀行が発行したクレジットカードはブッシュ政権の制裁措置の一環として、キューバ国内では利用できなくなっていたのですが、「本当に使えないのかな?」と私が試してみたときの記録が残っていたのです。(本当に使えなかったので、代わりに三井住友ビザカードで支払いました。)

キューバ旅行記を以下のURLに掲載していますので、ご興味のある方はご覧ください。http://www.inapon.com/cuba.htm

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2016年3月19日 (土)

ショーンK氏の経歴詐称問題 雑感

ショーンKこと、経営コンサルタントのショーン・マクアードル川上氏の経歴詐称問題がメディアを賑わせています。

このニュースを聞いて驚いたのは、21世紀の現代においても、学歴、職歴、名前を含めて、これだけ大掛かりな詐称をしている人物が、何食わぬ顔で多くのテレビ番組に出演していたという点です。佐村河内守氏の事件でも感じたことですが、いわゆる「ハロー効果」(ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象)によって、皆が思考停止状態に陥っていたのでしょうか?

私がショーンK氏に疑念を持ったのは、佐野研二郎氏による五輪エンブレム騒動のころに、テレビ朝日系の「報道ステーション」を見たときでした。古舘伊知郎氏からコメントを求められたショーンK氏は、突如として、「マドリッド協定議定書による商標の国際出願」の話を始めたのです。これは商標出願の一制度の説明であり、エンブレムのデザインが盗作かどうかという一連の疑惑とは、何の関連性もありません。これを見た私は、「このハーフ顔のイケメンコンサルタントはなんか胡散臭いなあ」と直感的に感じました。

しかし今になって思えば、もともと高卒のDJ・声優に過ぎなかった人物の口から、「マドリッド協定議定書」の話が飛び出して来ることには驚きを禁じ得ません。番組出演前に、他のコメンテーターとは違う切り口を模索しながら相当勉強したのは間違いないと思います。こういった真面目な姿勢がメディアの現場では好意的に受け止められていたのでしょう。

今回持ち上がった各種の詐称にしても、彼自身は「メディア向け人格」を成立させるために必要と感じ、必死にそれを演じ続けていただけなのかもしれません。

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2016年2月 8日 (月)

宮城県産業技術総合センターでの講演が無事終了!

2/5(金)に宮城県産業技術総合センター(仙台市泉区)において開催された講演は無事に終了しました。

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定員40名のところ、80名を超える方々にご参加いただきました。最新の事例も多数盛り込み、初心者の方にも実務経験者の方にも楽しめる内容になったことを願っています。

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講演終了後、私の著書の愛読者という男性が声をかけてくださいました。
「私、先生のご著書は、マイちゃん以外、全部持っています!」
「それはありがとうございます。でも、なぜマイちゃんだけ?」
「いやー、マイちゃんの表紙が恥ずかしくて書店のカウンターに持っていく勇気がなくって…」

この方にはAmazonでのご購入を推奨させていただきました。

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2016年1月19日 (火)

登録商標「SMAP」

SMAP騒動が世間を騒がせています。NHKや日本経済新聞までが報道しているくらいですから、その注目度は半端ではありません。

さして彼らに興味のない私ですら、昨晩はフジテレビ系のテレビ番組『SMAP×SMAP』を見てしまいました。スーツ姿で青ざめた表情をした彼らを見ながら、「しょせん、SMAPも社畜に過ぎなかったのか…」と感じたのは私だけではないと思います。同時に、ジャニー喜多川とメリー喜多川の姉弟が依然として有する影響力の大きさにも改めて驚かされました。

正直言って、5名のうち4名が40代になった彼らが今までと同じノリで活動を続けるのもさすがに苦しいと思うし、個人的には、新たな展開を探るべき時期に来ているように思います。

この騒動に便乗して、ジャニーズ事務所の持つ登録商標「SMAP」について調べてみたところ、全部で6件がヒットしました。

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最初の出願は、グループが結成された昭和63年(1988年)。当時は指定商品ごとに別々に出願する必要があったため、同じ日に「レコード、…」「はき物、…」「加工食料品、…」で3件が出願されています。

続いて、4年後の平成4年(1992年)。商品だけではなく、サービス(役務)についても商標の出願ができるようになったため、「演芸の上演、演劇の演出又は上演、音楽の演奏」で4件目が出願されています。

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5件目と6件目が出願されたのは、平成23年(2011年)であり、けっこう最近です。商品として、「茶」「コーヒー及びココア」「菓子及びパン」「ぎょうざ」「サンドイッチ」「しゅうまい」「すし」「たこ焼き」「べんとう」「ビール」などが、サービス(役務)として、「主催旅行の実施」「旅行者の案内」などが指定されています。

その目的がよくわかりませんが、ジャニーズ事務所の多角化の一環でしょうか?

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2015年9月 2日 (水)

東京オリンピックのエンブレム撤回 雑感

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(毎日新聞Web版(http://mainichi.jp/select/news/20150829k0000m040052000c.html)より)

昨日、佐野研二郎氏がデザインした東京オリンピックのエンブレムが正式に撤回されました。既に広く報道されているように、先月28日、大会組織員会が佐野氏の原案を公開したところ、活字デザインの巨匠ヤン・チヒョルト氏の展覧会ポスターに似ていると指摘され、また、エンブレム展開例の画像が他のサイトからの流用ではないかと指摘されました。佐野氏本人がその展覧会に足を運んでいたことや、イメージ画像の無断流用を認めたことが決定打となり、事態は急展開しました。

法律的な説明は既に二度にわたって述べておりますので、ここでは個人的な雑感を二点ほど書かせていただきます。

まず驚かされたのは、佐野氏のような日本を代表する著名なデザイナー、そしてその周辺にいるスタッフが、ネット上の画像を気軽に拾ってきているという事実です。素材が欲しいだけなら、どうして著作権的に問題のないストックフォト業者と契約しなかったのでしょうか?無断流用していたのは、多くの作品のごく一部に過ぎないのかもしれませんが、一件発覚しただけで、このような大きな信用失墜につながるわけです。どうしてそれに思い至らなかったのでしょう?

次に驚かされたのは、佐野氏の作品を執拗に検証したネットユーザーの動きです。小保方晴子氏のSTAP騒動のときも、小保方氏の論文の検証がネット上で次々と進んでいきましたが、今回はそれを上回る勢いでした。「デザイン比較なら素人でもできる」という背景もあったと思います。そのため、「明らかに怪しい」ものが挙げられていた小保方騒動のときと異なり、今回は、法的に問題なさそうな「パクリっぽい」だけのデザインも、やり玉にあげられていました。次に似たような問題が起こったときには、もう少し冷静な対応が求められると思います。

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2015年8月22日 (土)

佐野研二郎氏のデザイン騒動 雑感

東京五輪のエンブレムを巡る騒動が飛び火して、佐野研二郎氏による様々なデザインについて「パクリ疑惑」が生じているのは、各種の報道で明らかなとおりです。

エンブレムについて騒動が持ち上がったとき、佐野氏はベルギーの劇場のロゴについて、「見たこともないし、似ていない」と断言しました。著作権を侵害しているかどうかは、「他人の著作物を拠りどころにして作られたか(依拠性)」と「他人の著作物と表現が類似しているか(類似性)」がポイントとなるため、この2つを否定したのは法的には正しい態度です。

一方、サントリーのトートバッグのデザインについて騒動が持ち上がったとき、佐野氏は一部のデザインをあっけなく取り下げました。これは、デザインの一部が「元ネタ」とほぼ一致したため、「依拠性」と「類似性」を否定することが困難だと判断したからでしょう。

過去にも、書籍の表紙デザインを担当したグラフィックデザイナーが、そのデザインの一部(羽根の絵)を無断でスキャニングされて「角川mini文庫」のロゴに流用されたとして裁判を起こしたことがあり、角川側が敗訴しています。(東京地裁 平成11年(ワ)第13459号)

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(被告のロゴ):最高裁判所のウェブサイトより

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(原告の表紙デザイン):最高裁判所のウェブサイトより

上記のようにコピペ(トレース)した場合は、アウトの可能性が高まりますが、そうでない場合は、セーフとなることも多いです。たとえば、「ケロケロケロッピ事件」では、以下の被告(サンリオ)のキャラクターは、著作権侵害にはあたらないと判断されました。「カエルを擬人化するという手法が広く知られた事柄であることは明らかであり、…ありふれた表現といい得る範囲に属するもの…」というのが、その理由です。(東京地裁 平成12年(ワ)第4632号)

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(被告のデザイン):最高裁判所のウェブサイトより

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(原告のデザイン):最高裁判所の
ウェブサイトより

テレビ番組などでは、佐野氏のデザインとそれに類似したデザインを並べたテロップを街の人に見せて、「似ていると思うか?」と尋ねるインタビューをしていますが、一般の人の素朴な感想を訊いて、いったい何がしたいのでしょう?

思うに、現在の騒動を見ていると、「法的な視点」(権利侵害に該当しているのか)と、「倫理的な視点」(法的に問題がなくてもモノマネの域を出ていないのか)と、「独創性の視点」(法的にも倫理的にも問題がなくてもデザイン自体に独創性がないのではないか)、という3つの視点がゴッチャになっている印象です。マスコミにも、もう少しポイントを整理して報道してもらいたいと願う次第です。

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