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2016年7月 1日 (金)

知財業界でホットなもの(弁理士の日特別企画)

本日7月1日は「弁理士の日」です。「弁理士と弁理士試験のブログ-弁理士試験の勉強法-」(http://benrishikoza.blog24.fc2.com/)を主催するドクガク氏から、「弁理士の日」を盛り上げるべく、今年は「知財業界でホットなもの」というお題を与えられました。

知財業界で話題となっているものを真正面から取り上げても面白くないので、今回は、私が現在執筆している新作に絡む内容を取り上げることにします。

知的財産権と言えば、特許権や商標権などの産業財産権や、著作権のほか、種苗法による育成者権などが頭に思い浮かぶと思います。しかしながら、「知財らしきもの」の存在も無視できません。

たとえば、いわゆる「ビッグデータ」もそのひとつです。データひとつひとつは利用価値がなくても、たくさん集まることで意味のあるものとなります。典型的なのが、臨床試験データですが、これを知的財産として明確に位置付けると、被験者個人の無償の協力で成り立っている制度との矛盾が生じてしまいます。

次に、いわゆる「所有権の拡大解釈」です。今年の新書大賞に選ばれた『京都ぎらい』(井上章一著、朝日新書)にもあるように、京都の有名寺院は、お寺の写真を雑誌媒体などで使用するのにあたり、「志納金」を要求しています。ご存じのとおり、古い建築物の著作権は切れていますし、そうでなくても屋外に恒常設置された建築の著作物には著作権は及びません。「物のパブリシティ権」も最高裁で否定されています。

さらに、美術書などを見るとわかりますが、中世に描かれた絵画であっても、出典表示に「著作権表示」されているものがあります。「著作権」が存在しないのを知りながら、出版社が、あえてそう表示している事情があることもわかりました。

このように、今話題のAI創作物や前述した「ビッグデータ」のように、知的財産制度を変えていくであろう「知財らしきもの」と、「所有権の拡大解釈」のような法的根拠が薄弱な「知財らしきもの」双方の行方については、今後も目が離せません。

「知財らしきもの」の話題は、今回の作品の約4分の1くらいを占めることになると思います。出版予定は今年末です。楽しみにしていてくださいね。

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