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2014年10月 8日 (水)

今年のノーベル物理学賞に関する雑感

昨日から報道されているように、今年のノーベル物理学賞に、青色発光ダイオード(LED)を開発した名城大学の赤崎勇教授、名古屋大学の天野浩教授、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授の3名が選ばれました。青色LEDというと、中村教授のイメージがあまりにも強烈で、赤崎教授と天野教授は、一般の人にはあまり馴染みがなかったのではないでしょうか?

じつは、拙著『女子大生マイの特許ファイル』(楽工社)では、「20世紀最後の大発明 青色LEDの特許は誰のもの?」(p.174~p.195)の中で、中村教授と日亜化学との間で繰り広げられた職務発明訴訟について取り上げています。そこで、

窒化ガリウムを用いた青色LED開発のパイオニアは、当時名古屋大学にいた赤崎勇教授…である(p.178)

と書いたところ、編集者から「この情報、必要ですかね?」と言われてしまいました。結局、「中村教授が青色LEDを一から作ったわけではないので、絶対に外せない」と私が強く主張したこともあり、この記載は削られずに残ったわけですが、「青色LED」=「中村修二」というのが一般的な認識であることを強く意識しました。

ちなみに、青色LEDの実用化という点では、斬新な開発手法を編み出した中村教授の属していた日亜化学が、赤崎・天野両教授と提携して先行していた豊田合成を追い越しました。そのことからも明らかなように、赤崎・天野両教授と中村教授は完全なライバル関係。ですが、今回の受賞を機に、ぜひ3人が握手している姿を見たいものだと思います。

なお、『女子大生マイ…』の執筆時に、私は中村教授に直接お会いしてインタビューをしています。別れ際に次のようなやり取りがありました。

最後に中村教授に日本の研究者・技術者の置かれている現状についてどう思うかについても尋ねてみた。すると、「できる人はやっぱり外国でやるべきですよ」という。中村教授の考えによると、日本は依然として「世界で一番うまくいっている社会主義国家」だそうで、国の将来については大変悲観的だった。(p.188)

この話は、私の頭の中で強く印象に残っていたのですが、今回の報道で中村教授が米国籍を取得している(要するに、米国人になっている)と聞き、さすがに驚きました。

もちろん、人生の価値観は人それぞれですが、私個人については、「この時代を生きる日本人として、日本のために何ができるのか」という観点で、今後の人生について考えていきたいと思っています。

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Maitoku

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