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2014年5月13日 (火)

特許から見たSTAP細胞論文問題(その3)

皆さんご存知のとおり、5月8日、小保方晴子氏のSTAP細胞論文における不正が確定しました。理化学研究所が調査委員会の調査結果に対する小保方氏の不服申し立てを退け、再調査しないと決めたからです。

Staplatest

今回理研が発表した「不服申立てに関する審査の結果の報告」では新事実も明らかとなりました。小保方氏は2012年4月にNature誌に投稿を拒絶された後、6月にはCell誌に、7月にはScience誌にも同様の投稿をしています。

①画像の切り貼りがScience誌の査読で指摘されていたのにもかかわらず、そのままの内容で小保方氏が2013年にNature誌に再投稿していた事実

②小保方氏が真正だと主張している免疫染色データ(2012年6月に取得したと小保方氏は主張)が、その後のCell誌やScience誌の投稿で使われなかった事実

これらの2つの隠し玉が出てきたことや、小保方氏のずさんな研究ノート(というかポエム)の一部が公開されたことで、小保方氏の立場が相当苦しくなったことは間違いないでしょう。

それにしても、STAP細胞の特許出願を取り下げるかどうかについて、理研が「現在、検証実験を行っており、その結果を踏まえて判断したい」と言っている点は不可解です。

この特許出願は国際出願として出されていますから、各国への国内移行手続きを取る必要があります。その期限は今年10月(5か月後)となるのですが、理研は検証実験に1年間もかかると言っています。とてもではありませんが間に合いません。要するに、放っておいても、この国際出願は実質的に取り下げられてしまうわけです。

ここで気になるのが、ハーバード大のバカンティ教授の動向です。彼が論文の撤回に依然として強硬に反対しているのは周知の事実ですが、この国際出願では彼が筆頭発明者となっており、彼の所属するブリガム&ウイメンズ病院(ハーバード系の病院)が筆頭出願人となっています。国内移行手続きの期限が近づいた際に、彼が強引に権利化を目指す可能性も否定できません。

しかしその場合でも、特許明細書には論文と同じ「改ざん」「捏造」と認定されたデータが掲載されていて、今さら新しいデータに差し替えることは不可能ですし、さらに、未だに誰一人として”厳密な意味での”STAP現象の再現には成功していないことから、どっちみち、「実施可能要件違反」で拒絶されてしまう気がします。

STAP細胞の特許を巡っては、この他にも様々な”謎”があります。それらの謎については5/16(金)の東京理科大学での講演でお話したいと思っています。

特許から見たSTAP細胞論文問題(その1)
http://inapon.cocolog-nifty.com/tokyo/2014/03/stap-590e.html

特許から見たSTAP細胞論文問題(その2)
http://inapon.cocolog-nifty.com/tokyo/2014/04/stap-957e.html

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コメント

こんにちは。
STAP細胞の特許の先行きは暗そうですが、
発明として、成立している内容はあるのかな。
なければ、無駄な出願でしたね。
では。

投稿: yy | 2014年5月23日 (金) 14時14分

yyさん、コメント有難うございます。

明細書に書かれている内容(論文に書かれている内容とほとんど同じ)の信ぴょう性が疑われているので、結果としては無駄な出願になる可能性が高そうですね。

投稿: いなぽん | 2014年5月24日 (土) 20時45分

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