「弁理士にできること」
昨日7月1日は「弁理士の日」でした。それに合わせる形で、「弁理士と弁理士試験のブログ-弁理士試験の勉強法-」(http://benrishikoza.blog24.fc2.com/)を主催するTwitter仲間のドクガク氏から、「弁理士の日」を盛り上げるために、「弁理士にできること」というお題を与えられましたので、以下少し書いてみることにします。
まず、「弁理士にできること」と聞かれて、特許出願などの専権業務のことを思い出しました。しかし、もちろんこれに限らず、それ以外のことを弁理士がしても何ら構わないわけです。ご存知の通り、私は”物書き”として以前から知的財産権の裾野を広げるための啓蒙活動を行っており、その点では弁理士としては、かなり特異な存在だと思います。
「この地味な業界で、どうして本や記事なんかを書いているのか?」と、色々な方から質問を受けますが、仕事の依頼が断れないという私の性格のほか、知的財産に関する知識・情報が一般の人たちに浸透しておらず、日本の国力低下に繋がっているのではないか、との危惧があるからです。
実は、2000年のビジネスモデル特許ブーム以降の数年間、知的財産のブームがありました。青色LEDに代表される職務発明訴訟が頻発して企業の報奨制度が変わったり、知的財産の事件に特化した知財高裁が設立されたり、各大学にTLO(技術移転機関)が設立されたり、新たな資格試験である知的財産管理技能検定が登場したりと、「知的財産立国」に向けた枠組みが徐々に作られてきた時期でもあります。しかし、現在これらの枠組みが社会全体としてうまく機能していないように思えてならないのです。
私は、「弁理士にできること」の一つとして、知的財産の一般への認知度をさらに高めて、国民全体の知的財産に対する意識を高くするような啓蒙活動や環境づくりをするということもあると思っています。そして、そのことによって、米欧などの他の先進国や中国をはじめとする新興国に負けない国造りに貢献することができると信じています。
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コメント
この度は企画にご参加いただきありがとうございます。
さて、「知的財産の一般への認知度をさらに高めて、国民全体の知的財産に対する意識を高くするような啓蒙活動や環境づくりをするということ」というのは、まさに過去の弁理士がやらなかったこと(又は不十分であったこと)であると思います。
知財立国がお題目とならないように、これからは私たちが頑張らねばならない。と、そう思っております。
投稿: ドクガク | 2011年7月 3日 (日) 00時20分
ドクガクさん。そうですね。皆で力を合わせて頑張りましょう!
投稿: いなぽん | 2011年7月 6日 (水) 22時39分