先週末、近くに住む知人たち(主にヨーロッパ人)と共に、南カリフォルニアの奥地に位置するZen Mountain Center(曹洞宗系)に泊まりで修行体験に行って来ました。私の家の宗派が曹洞宗であるため、日本にいるときから「禅」には大変興味を持っていて、総本山の永平寺(福井県)や総持寺(横浜市)を訪れたこともあるのですが、米国に曹洞宗の寺院があるとは今までまったく知りませんでした。

フリーウェイを乗り継いでから山道を越え、最後に舗装されていない道路を1マイルくらい走って現地に到着しました。入口のところに「陽光寺」と書かれた看板がありました。どうやら正式名称は「曹洞宗陽光寺」らしいです。そこに車を止め、まっすぐ進むと、短髪の白人男性が出迎えてくれました。Zen Mountain Centerに暮らしながら修行生活を営んでいるとのことで、寺の内部を案内してもらいました。ここは日本の寺のように丁寧に整備はされておらず、山の斜面に木造の建物が点在している感じでした。我々の宿泊施設や大広間は日本的な造りをしていて、まさに「和室」でしたが、一部の部屋を除くと、畳ではなく絨毯(じゅうたん)の部屋でした。米国では畳が大変高価なため、これも仕方がないのかもしれません。太陽電池で自家発電しているらしく、寺の入口付近にソーラーパネルがいくつか設置されていました。まさに「陽光寺」という名前の通りです。

お布施を支払ってから(基本的には無料だが、1泊の場合は70ドルのお布施が必要)、近くを散策して回った後、夕食の時間となったので食堂に向かいました。日本料理が出てくると期待したのですが、何と出てきたのは、「クスクス」などの中東系のベジタリアン料理でした。まさか中東系の食事が出てくるとは思ってもみなかったので、大変驚いてしまいました。(味はまあまあでしたが・・・)この週末は「ヨガ」の団体客も泊まっていたため、彼らと一緒に食事を取りました。「ヨガ」と曹洞宗は何の関係もないのですが、ヨガ団体の人は、「いい場所なので使わせてもらっている」と言っていました。(この団体、ヨガをしているといいながらも、どういうわけか太った人ばかりだったのが気になりましたが・・・。)

その後、大広間で2時間の修行があったので、それに参加することにしました。まずは30分間の「座禅」からです。足がきつくならないようにクッションも置いてありました。座禅の開始前に気がついたのですが、このお寺のお坊さんは、どういうわけか白人ばかりです。(頭はきちんと剃髪していました。)創始者は日本人の前角老師(まえずみ・ろうし)という人物らしいのですが、お坊さんにアジア人がまったくいないのは奇異な感じがしました。ともあれ、さっそく座禅を開始。私は日本で何回か経験していたので、まったく苦ではなく、30分のセッションは短いくらいでした。ところが、私と一緒に来ていた白人連中は、さっそくダウン。2時間の修行だというのに、最初の30分で挫折して大広間から出て行ってしまいました。
やはり、椅子に座った生活を続けてきた白人たちには、座禅は相当きついらしく(クッションを下に置きながらであっても)、「これ以上やったら、足が折れてしまう」などと情けないことを言っていました。一見強靭そうな白人たちですが、正座や座禅で闘えば、我々日本人の楽勝だと思いました。なお、その後は近くを散策し、暗くなってきたので部屋に戻って皆でトランプをして遊んでいました。私が日系スーパーでポッキーや煎餅(せんべい)を買ってきていたので、みんなでそれを食べました。こんな感じで日本のお菓子を食べながら和室でトランプに興じていると、中学生や高校生の時の修学旅行にタイムスリップしたかのような妙な錯覚に陥ってしまいました。
その後、布団に入ってゆっくり休みました。内陸部にあるためか、夜は大変な寒さでした。日本では大したことはない寒さかもしれませんが、カリフォルニアで今まで体験したことのないような気温で大変驚いてしまいました。あまりの寒さに何回か目覚めてしまったほどです。
翌朝は午前7時頃に目覚めました。外は明るくなっていましたが、まだ随分と寒かったです。その後、朝食の時間となったので食堂に向かいました。先日の夕食と同様、中東系の食事だったので、結局日本的な食事は何も食べられませんでした。
午前9時からは2時間の朝の修行タイムです。私と一緒に来た知人たちは、もう修行はウンザリらしく、山登りをすると言い出したため、私は彼らを送り出した後、一人で修行に参加することにしました。まずは、お経を唱えるセッションが始まりました。私は「般若心経(はんにゃしんぎょう)」を除いては、お経はまったく暗記していなかったため、お経の書かれた冊子を貸してもらいました。面白いことに、英語に翻訳されたお経と、日本語(とは言っても、漢字の音読みだが)のオリジナルのお経(アルファベットで書かれたもの)の2種類がありました。英語のお経を唱えることには随分と違和感を感じましたが・・・。その後、前日と同じ30分の座禅セッションが2回ほど行なわれ、休憩を入れた後、最後に、Zen Mountain Centerの指導者である「天心(てんしん)」先生(前日はいなかった)のお話を聞く時間となりました。「天心」と名乗りながらも、この人物も白人でした。曹洞宗の教えから何かテーマを選んで毎回話を聞かせているようでしたが、他のお坊さんや信者の人たち(黒人とアラブ人が1人ずついるだけで、他は全部白人)から色々な質問が投げかけられ、それに親切に答えていました。
かなり長時間座りっぱなしだったので、さすがの私も足がガクガクしてきました。大広間の外に出ると、既に知人たちは山登りから戻ってきていて私を待っていました。そのため早速帰りの支度をし、お世話になった方々にお礼の言葉を述べてZen Mountain Centerを後にしたのです。日本人を含めたアジア人が全然いなかったという点が、どうも気になった2日間でしたが、また是非来てみたいとも思っています。私と一緒に南カリフォルニアの奥地で座禅を組みたいという方は是非ご連絡ください。
なお、Zen Mountain CenterのURLは以下の通りです。
http://www.zmc.org/
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