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2019年7月10日 (水)

ココログでの更新を終了し、内部ブログに移行します!

『いなぽんの”知財作家”日記』は、2019年7月10日の公式ホームページ(稲穂健市 Official Page)のリニューアルを受けて、ココログでの更新を終了し、内部ブログに移行します! この記事以降の更新については、https://inapon.com/blog/ をご覧ください。

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公式ホームページをリニューアルしました!

本日、公式ホームページ(稲穂健市 Official Page)をリニューアルしました。これまでと比べて、以下の3点が大きく変わりました。

1.デザイン性が高くなって読みやすくなりました。
2.ブログがココログから内部ブログに変わりました。
3.フォームからお問い合わせができるようになりました。

今後も改善すべき点があれば真摯に対応していきたいと考えています。引き続きよろしくお願い申し上げます。

2019年7月 1日 (月)

【7/1 弁理士の日記念企画】知財業界での初体験

本日7月1日は「弁理士の日」です。「独学の弁理士講座を主催するドクガク氏から、「弁理士の日」を盛り上げるため、今年は「知財業界での初体験」というお題を与えられました。以下少し書いてみることにします。

私は1990年代に新卒で電気機器メーカーに入社し、特許部門に配属されました。今でも良く覚えているのは、ライバル会社の特許を「異議申立」で潰すための「証拠集め」を初めて体験したときのことです。当時はまだ公報類が一部しか電子化されておらず、日本特許情報機構(JAPIO)の提供するパトリス(PATOLIS)という中途半端なデータベース(全文検索はできない)を使ったり、霞が関にあった通産省(現在の経産省)別館で冊子単位で保管されていた公開公報を読みあさったり、永田町の国立国会図書館に足を運んで関係しそうな資料を読みこんだりしました。

国立国会図書館は「閉架式」となっていることから、所望の本について閲覧請求し、図書館職員の方にそれを用意してもらう必要があります。今でこそ、パソコン検索で簡単に請求できるようになっていますが、当時はパソコン検索できる資料は限られていました。書名や著者名などが書かれた「目録カード」を探し出し、それを利用して紙で申請する必要があったのです。ホールには「目録カード」を収納した大量のボックスが並んでおり、慣れていなかった私は、その隙間をさまようこととなりました。(国立国会図書館の資料によると、1995年の段階でカードが420万枚もあったそうです。)

証拠集めは難航しましたが、最終的にライバル会社の特許の進歩性を否定できる資料を何とか探し出すことができ、それを基に職場の先輩の指導を仰ぎながら異議申立書を書きました。こちらが異議申立をしたことがライバル会社にバレないように、取り引きのあった弁理士の姪っ子さん(当時は大学生だったらしい)を異議申立人とする書類を作成しました。

結局、そのライバル会社の特許を、無事に(?)潰すことができました。一般的には、明細書等を書いて特許出願し、その後、審査官による拒絶理由通知に対して手続補正書や意見書で反論しながら権利化へと結びつけていくことが、特許担当者のメインの仕事となります。ですが、当時の私は、まだ権利化の実績はゼロの状態でしたから、ライバル会社の特許を潰したことが知財業界における初めての成果となったわけです。現在は、もっと効率的に調査ができますが、原始的かつ非効率な調査をしたことも、今となっては良い思い出です。

2019年6月25日 (火)

高島屋が中国から撤退 上海店を8月末に閉店

「高島屋が中国から撤退 上海店を8月末に閉店」というニュースが飛び込んできました。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6328011

私自身は、最新刊『こうして知財は炎上する』(NHK出版新書)において高島屋の商標使用料問題を取り上げた際、シンガポール店が大きな利益を上げる一方、上海店が赤字続きであることを確認していましたので、それほどの驚きはありませんでした。

上海店が赤字だったことは拙著223頁のグラフからも把握できますが、日本国内だけで19店舗もあることを考えると、シンガポールの1店舗だけで、高島屋の百貨店事業全体の約2割もの利益を上げている点は驚異的です。同じアジアに進出する場合でも、様々な条件により、まったく異なった結果となり得るわけですね。経営とは難しいものです。

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2019年6月21日 (金)

『楽しく学べる「知財」入門』(講談社現代新書)、再増刷決定!

『楽しく学べる「知財」入門』(講談社現代新書)の再増刷が決まりました。これも皆様の暖かいご支援のお蔭です。心より御礼申し上げます。

なお、今回の重版の出来予定日は7月12日で、著作権の保護期間が原則著作者の死後50年から70年に延長された点など、最新の法改正を反映させた内容となっています。

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2019年5月25日 (土)

『楽しく学べる「知財」入門』(講談社現代新書)が『パテント』誌で紹介されました!

日本弁理士会の機関誌『パテント』(Vol.72, 2019年5月号)の書籍紹介コーナーで、拙著『楽しく学べる「知財」入門』(講談社現代新書)が紹介されました。これまで6冊の単行本を出版してきましたが、発売から2年以上を過ぎても、なお書評が出続けているのは、この作品だけです。ロングセラー化している証でもあり、著者としては嬉しい限りです。

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2019年5月15日 (水)

TBC東北放送「Nスタみやぎ」に出演しました!

ウクライナへの渡航前、仙台市太白区八木山の東北放送にて、新元号「令和」と知的財産との関係について簡単にコメントさせていただいたところ、その際の映像が、先週7日午後6時台の「Nスタみやぎ」で取り上げられました。

『新元号「令和」をビジネスチャンスに』と題する特集でしたが、ほぼ知的財産のネタだけで7分間も取ったのは、地方局としては挑戦的な試みであったと思います。(今回はディレクターの方の熱意に打たれてご協力しました。)

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TBS東北放送「Nスタみやぎ」(2019/5/7放送)より

2019年5月 9日 (木)

ウクライナに行ってきました!

今年のGWは、79番目の訪問国としてウクライナを訪問しました。

首都キエフは、歴史的建造物と、ソ連時代のインフラと、新しい文化の混在した魅力的な街でした。旧ソ連製の地下鉄車両が今でも現役で頑張っていますが、英語のアナウンスや多くの広告に接すると、共産主義の敗北を意識せざるを得ず、複雑な気持ちになります。

政治的にはEUとロシアの間に挟まれた微妙な立ち位置にあり、コメディ俳優が選挙で大統領に選ばれるなど人材面での不安はありますが、堅実に経済が成長していることを実感しました。ちなみに、英語はほとんど通じません。キリル文字は読めるようにしておいた方が良いでしょう。

以下、10枚ほど写真を掲載いたします!

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↑ 首都キエフのペチェールスカ大修道院。後ろを流れるのはドニエプル川です。

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↑ 首都キエフにあるペイザジナ小道の猫のオブジェ。 

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↑ 首都キエフの下町と山の手を結ぶケーブルカー。車体も乗り場も旧ソ連時代のデザインを活かしつつ綺麗に改装されています。

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↑ 世界で最も深い地下鉄駅であるキエフのアルセナーリナ駅。ホームは地上から105.5mの深さで、超高速エスカレーターでも約5分かかります。これだけ高速だとさすがに怖く、歩いている人はほとんどいません。日本のエスカレーターも「歩くな」と呼びかけるだけではなく、高速化してみてはいかがでしょう?

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↑ 首都キエフにあるソフィア大聖堂です。

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↑ チェルノブイリへの一日ツアーに参加。大型バスで観光客が押し寄せ、現地は完全に観光地化しています。爆発した4号機の「石棺」を覆うシェルターは、高さ約110メートル、幅約260メートル、長さ約160メートルもある巨大なもの。構造、製造法、設置法などで何かしらの特許が取られているかもしれません。

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↑ チェルノブイリ原子力発電所の立入禁止区域に残る旧ソ連の軍事用レーダーシステム「Duga(ドゥーガ)」。高さ約150メートルもあります。

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↑ 首都キエフから鉄道で西部の古都リヴィウに入りました。ポーランドやハプスブルク家の影響を大きく受けていることもあり、極めてヨーロッパ的な街並みです。

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↑ リヴィウのお土産屋さんでミッキーマウスやピカチュウの海賊版が堂々と売られていました。売り子も悪びれた様子はなし。知財リテラシーの必要性を感じました。中国のパクリ商品と異なる点は、手作りで、かつ意外と高品質なこと。

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↑ リヴィウでは、ロシアのプーチン大統領が描かれたトイレットペーパーや玄関マットがお土産として売られていました。互いに敵対関係にありますが、誰が買うんでしょう?

2019年4月24日 (水)

『こうして知財は炎上する』(NHK出版新書)が日本知的財産協会で紹介されました!

日本知的財産協会 Webサイトの新刊書紹介(2019年4月)にて、『こうして知財は炎上する ― ビジネスに役立つ13の基礎知識』(NHK出版新書)が紹介されました。出版から8ヵ月が過ぎているので、「新刊」と呼べるかどうか微妙なところですが…。

http://www.jipa.or.jp/coffeebreak/sinkan/1904.html#P1

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2019年4月18日 (木)

新元号「令和」には、一体どこまで「便乗ビジネス」できるか

講談社のビジネス情報サイト「現代ビジネス」に記事を寄稿しました。新元号「令和」にまつわる知財関連の一連の報道を網羅的に整理してみました。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64015

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いなぽんの本

  • 稲穂 健市: こうして知財は炎上する―ビジネスに役立つ13の基礎知識 (NHK出版新書 558)

    稲穂 健市: こうして知財は炎上する―ビジネスに役立つ13の基礎知識 (NHK出版新書 558)
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  • 稲穂 健市: 楽しく学べる「知財」入門 (講談社現代新書)

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  • 稲森謙太郎: すばらしき特殊特許の世界

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