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2018年12月18日 (火)

登録商標「東京ミッドタウン」の商標権者の謎

先週末、東京・六本木の東京ミッドタウン・ミッドタウンガーデンで開催中のイルミネーション(スターライトガーデン2018)を見てきました。

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「東京ミッドタウン」(商標登録第4917072号ほか)と「ミッドタウンガーデン」(商標登録第5406519号ほか)は商標登録済みですが、権利は10社の共有となっています。旧防衛庁の広大な土地を取得する資金調達のためにコンソーシアムで入札した名残のようですね。

アール・ピー・ベータ特定目的会社 ←三井不動産が出資
JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)
積水ハウス
富国生命
大同生命
アール・ピー・アルファ特定目的会社 ←明治安田生命が出資
アール・ピー・ガンマ特定目的会社 ←三井不動産が出資
アール・ピー・デルタ特定目的会社 ←三井不動産が出資
アール・ピー・エータ特定目的会社 ←三井不動産が出資
アール・ピー・イプシロン特定目的会社 ←三井不動産が出資

六本木に来たのは、政策研究大学院大学で開催された「第200回Smips(知的財産マネジメント研究会)記念コンファレンス」参加のためです。(SDGs(持続可能な開発目標)とブロックチェーンが話題の中心でした。)2000年4月から19年近くも継続されているとは本当に素晴らしいです。懇親会では、長らくお会いしていなかった方々とも交流を深めることができ、大変有意義な一日でした。

2018年12月 9日 (日)

『オリンピックVS便乗商法』友利昴(作品社)を読みました!

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『オリンピックVS便乗商法:まやかしの知的財産に忖度する社会への警鐘』友利昴(作品社)を読了しました。

IOC(国際オリンピック委員会)などのオリンピック組織による権利主張の「怪しさ」については、私が今年8月に上梓した『こうして知財は炎上する-ビジネスに役立つ13の基礎知識』(NHK出版新書)でも取り上げています。ですが、拙著ではわずか16ページあまりで説明しているところ、こちらは300ページを超える力作に仕上がっており、巻末の膨大な出典情報から、過去の報道や先行研究を詳細に調査したことが伺えます。

本書では、IOCなどが過剰な権利主張をするようになった歴史的経緯や、初の東京五輪が開かれた1964年当時の関係者の対応などについても詳しく説明されており、知財や広告の関係者以外の方にとっても興味深い内容となっています。法を超えた忖度(そんたく)がまかり通る社会は健全なものとはいえず、「知財もどき」に対して否定的な私の考えにも通じるところがありました。

2018年12月 8日 (土)

日本知財学会での発表が無事終了!

先週末、大阪工業大学で開催された日本知財学会(第16回年次学術研究発表会)に参加ししました。会場であるOIT梅田タワーの最上階のレストラン(学生食堂)からの眺望が素晴らしかったです。

私自身も、知財事件と新聞報道との関連性についての発表を行いました。知財啓発に関する活動を、どのように社会をより良くする方向性に活かしていくか、といった課題についても改めて認識したところです。引き続き努力していきたいです。

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2018年11月23日 (金)

カルロス・ゴーンの創作したクルマが意匠登録されていた!

日産自動車のカルロス・ゴーン会長逮捕のニュースが世間を騒がせています。

私も「知財ネタ」でひとつ情報提供したいと思います。特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で調べてみたところ、ゴーン氏の発明・考案(特許・実用新案)はなかったものの、同氏が創作者のひとりとなっている登録意匠を1件見つけました(意匠登録第1152809号)。

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一見したところ、自動車のように見えますが、「意匠に係る物品」は「自動車おもちゃ」となっています。日産自動車と旧トミー(現在のタカラトミー)が共同で権利化したもので、登録料が途中から支払わなくなったことから、今から5年前の2013年に権利は消滅しています。

出願に至る経緯を調べてみたところ、2001年の「第2回大阪モーターショー」における当時のトミーのブースで、「カルロス・ゴーン氏が考える20年後の未来カー『NEOZERO(ネオゼロ)2020』」として展示されていたことがわかりました。ルーフからリアにかけてソーラーパネルを装備して太陽エネルギーを動力とすることなどが書かれています。ソーラーカーの実用化はまだ難しいので、ゴーン氏の予測どおりにはならない可能性が高そうです。

株式会社トミーのニュースリリース(平成13年11月22日)
https://www.takaratomy.co.jp/product_release/pdf_tomy/01/p2001_022.pdf

なお、ゴーン氏のプロフィールには、「プライベートでは3人の娘と1人の息子の良き父親であり、今年度のイエローリボン賞(BEST FATHER OF THE YEAR)を受賞」とあります。ですが、同氏は2015年に離婚し、翌年には別の女性と再婚。前妻とはいまだにレバノンで裁判を続けています。今回の逮捕がなかったとしても、「家庭人」としても成功していたようには到底思えません。人生とは難しいものです。

2018年11月22日 (木)

仙台市役所での講演が無事終了!

本日午後、仙台市役所において「広報業務における知的財産権の保護について」と題する講演を行いました。好評を博した昨年に引き続いての開催です。著作権法改正の最新動向についてもお話をさせていただきました。参加者の方々にとって有意義な内容であったことを願っています。

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2018年11月 6日 (火)

新旧元号の商標登録は不可 政府、便乗商法防止を狙う

「The News Masters TOKYO」にコラムを投稿しました。

http://www.joqr.co.jp/nmt/column/post-579.php

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2018年11月 4日 (日)

『華氏119』(Fahrenheit 11/9)を見に行きました!

昨晩、仙台・北四番丁にある映画館「フォーラム仙台」に、マイケル・ムーア監督の最新作『華氏119』を見に行きました。米国在住時にムーア監督の作品は何本か見たのですが、じつは日本で見るのは今回が初めてです。

2時間を超える作品ですが、テンポ良く進みます。トランプ叩きに終始するのではなく、民主党やマスコミにも矛先を向けながら米国の病巣を炙り出す内容でした。

気になったのは、これまでの作品と比べてユーモアが多くは盛り込まれておらず、ムーア監督自身にもあまり余裕が感じられなかったことです。それだけ米国の民主主義の現状に危機感を抱いていることの表れかもしれません。

日本や欧州にも似たような問題があります。果たして世界はどこに向かっていくのでしょうか? 色々と考えさせられる映画でした。

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2018年10月16日 (火)

11/1(木)夜に開催される「知財系書籍読書会」にゲスト参加します!

11/1(木)19:00から、東京都中央区の月島区民館で開催される「知財系書籍読書会」において、課題図書として『こうして知財は炎上する』(NHK出版新書)が取り上げられることになりました。

特別ゲストとして、著者である私も参加します。知財に興味のある方でしたらどなたでも参加可能です。お気軽にご参加ください。

http://socialreading.blog.fc2.com/

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2018年10月12日 (金)

「疑似科学」に騙されないで!

「疑似科学」という言葉を聞いたことがありますか?

小学館『大辞泉』によると、「いかにも科学的であるように見えるが、科学的根拠がなく、実証も反証もできない事柄。例えば、血液型と性格の関係など」と書かれています。

先日ご説明した自己啓発セミナーなどにも、同様の手法が取り入れられているものがあります。「アファメーション」(自己肯定)など以前から知られている自己啓発の手法を搔き集めて、それらを様々な学術的な用語で色付けしたものです。難しい言葉が出てくると、もっともそうな気がしなくもありません。ですが、たとえば、キリスト教関係の用語がたくさん登場する『エヴァンゲリオン』がキリスト教の教えを伝えているわけではないことは説明するまでもないでしょう。要するに、科学的に裏付けられているかどうかは別問題ということです。

「主催者がたくさん本を出しているから、正しいのでは?」と考えてはいけません。多数のゴーストライターを使えば、一人の著者の名前で1か月に何冊もの本を出し続けることは可能です。実際に、自己啓発書の読者を高額なセミナーや情報商材(DVDやストリーミング配信)に誘導し、そこで儲けるというビジネスモデルはすでに確立されています。

また、「主催者が『天才科学者』と呼ばれているから、正しいのでは?」と考えることも止めましょう。評価に足る研究業績があるかどうかは、海外の主要な学術誌に論文として掲載されているかどうかで把握できます。試しに、オランダの学術出版社エルゼビア社の提供する世界最大級の論文データベース「Scopus」(スコーパス)を用いて、「天才脳科学者」と喧伝されている日本人について調べてみました。すると、脳そのものに関するものはひとつもなく、しかも、今から22年前にあたる1996年以降のものはありませんでした。この人物は果たして「天才科学者」なのでしょうか?

この程度のことは、ちょっと調べれば誰にでもすぐに分かることです。きちんと裏付けを取る習慣を身に付け、「情報弱者」にだけはならないようにしてください。

2018年10月 8日 (月)

「自己啓発セミナー」の恐ろしさを知ってほしい

「成功を手に入れる」「幸せになれる」

そういった売り文句で発達してきた業界が自己啓発セミナー業界です。1995年に大規模テロを引き起こしたオウム真理教にも似た要素がありました。その後、1998年の元X JAPAN・TOSHIの洗脳騒動、1999年の成田ミイラ化遺体事件など、自己啓発セミナー団体が引き起こした数々の事件により怪しげなイメージが広まったことで一時衰退します。

ところが、2000年代に入ってスピリチュアル系や情報系にシフトして息を吹き返します。最近では、コーチングを主体にしたものや、脳科学や認知科学など一見して科学的なエビデンスが得られているかのような誤解を与えるものまで登場しています。

しかしながら、基本的なやり口は1990年代と大きく変わっていません。無料のセミナーに参加した人が有料の初級コースに参加すると、高額な中級コース、そしてさらに高額な上級コースへと誘導されていきます。上級になると参加費が数百万円することも珍しくありませんが、「洗脳」されて金銭感覚が狂ってしまった人は躊躇なく支払ってしまうのです。

洗脳の仕方も巧妙です。参加者を信じさせるためには主催者及びプログラムの内容に強力な権威づけが必要です。そのため、経歴を「盛る」だけではなく、多数の肩書や受賞歴などでそれを飾り立て、また、権威ある人物と自分自身とのかかわりをやたらと強調します。(新興宗教の教祖が自らを仏陀やキリストの再来であるように騙るのと同様です。)

また、一般人が滅多に入れない場所に連れて行く、滅多に会えない人物に合わせる、といった演出も常套手段です。貴重な体験をした参加者は「自分の人生が変わった」と、のぼせ上がりますが、これは参加者自身の力で成し遂げられたことではありません。

さらに厄介なのが、このように洗脳された参加者が周囲の人間を勧誘し始めることです。被害者が増えるのはもちろん、当の本人も友人・仕事・信用をすべて失ってしまいます。成功を手に入れて幸せになるはずが、それとは逆の結末が待っているのです。こうなってしまっても、誰も責任を取ってはくれません。

«『こうして知財は炎上する』(NHK出版新書)がスポーツ報知で紹介されました!

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いなぽんの本

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  • 稲森謙太郎: すばらしき特殊特許の世界

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